病院はどこからお金を得てるの?

こんにちは、月風みゆです◎

今回は病院がどのように医療費請求をしているのか、平たく言うと、病院がどうやってお金を得ているのかについて書いていきます。

病院と医療費、健康保険などの関係について、今の医療のお金の仕組みについてのお話しです♪

病院はどこからお金を得てるの?

なんだか、お医者さんはすごいお金持ち。看護師さんもすごくお金稼いでる・・・というイメージがあると思います。

ということは、病院ってすごいお金稼いでるんじゃないの??と思いますよね。そんなに患者からお金ふんだくってるのか!なんて。

でも実は、病院がお金を得てるのは、ほとんどが保険者からなんです。患者さんからたくさんお金をもらってる!という訳ではありません。

病院がお金を得ている流れは下の図のようになります。

厚生労働省 我が国の医療保険についてより

医療保険者(ここでは「保険者」と呼びます)、審査支払機関、保険医療機関等など、様々な言葉が出てきていますが、一つずつ見ていきましょう!

保険者とは?

保険者とは、健康保険の運営をしている機関です。

保険証の発行や、保険料の徴収、高額療養費制度の手続きなどをする機関です。

保険者には大きく2つの分類があります。

①市町村、市区町村

②企業の健康保険組合や協会けんぽ

日本では国民皆保険となっているため、国民全員が何かしらの健康保険に加入する権利があります。健康保険に加入していれば(保険証を持っていれば)、市区町村か企業の健康保険組合のどちらかに保険料を納めています。

保険診療をした場合、保険者が、保険に加入している方(被保険者)から納められた保険料を使い、審査支払機関を通じて、病院に支払っています。

◆保険証と医療費の仕組みは、何で病院を受診する時は、保険証が必要なの? へどうぞ!

保険診療と自由診療

日本では、保険証を使って病院を受診し、6歳~70歳未満の方であれば、3割の自己負担を病院に支払っています。

このような保険証が使える診療行為を、「保険診療」といいます。

保険証が使える診療行為は、疾病に限られます。風邪をひいた、骨折した・・・など、いわゆるケガや病気であれば、基本的に保険診療の対象となります

どんな疾病が保険診療の対象になるのか、どんな診療行為や薬が対象になるのかは、厚生労働省が決めています。厚労省が決めた診療行為・薬剤の金額を、診療報酬と呼びます。

また、保険診療を行う病院のことを、保険医療機関と呼びます。

逆に、保険証が使えない診療行為を「自由診療」と呼びます。

自由診療の例としては、美容整形など、病気が直接原因ではないものを変える場合や、厚生労働省が認可してない診療行為などです。自由診療の場合、価格設定は病院が決められます。

保険診療をした場合、患者(6歳~70歳未満)は医療費の3割を負担し、病院へ支払います。

病院は、患者の支払った3割の医療費の残りである7割分の医療費を請求するために、請求書を作成し、審査支払機関へ提出します。

その請求書の名前を、診療報酬明細書(レセプト)と呼びます。

審査支払機関と診療報酬明細書(レセプト)

審査支払機関とは、診療報酬明細書(レセプト)の内容が適正かどうかを審査する機関です。

審査支払機関には、

①国民健康保険団体連合会(国保連合会)

②社会保険診療報酬支払基金(支払基金)

の2種類があります。

国保連合会は、国民健康保険や後期高齢者被保険者証に加入している、市区町村へ保険料を納めている方々の診療報酬の審査をします。

支払基金は、国保連合会が審査しない他の保険、いわゆる社会保険に加入し、保険料を納めている方々の診療報酬の審査をしています。

病院から「残り7割分の医療費ください!」と診療報酬明細書(レセプト)を審査支払機関へ提出した後、

審査支払機関は病院の請求が正しいのかをチェックし、適正であると判断されれば、保険者へ残りの医療費を支払うように診療報酬明細書(レセプト)を送ります。

※適正ではないと判断された場合、病院にレセプトが返ってきます。これを返戻といいます。

保険者から審査支払機関へ、そして病院へ医療費の支払い

審査支払機関から届いたレセプトを保険者でも再チェックし、レセプトの内容が適正であると判断されれば、保険者から審査支払機関へ医療費が支払われます。

(もちろん、ここでもレセプトが適正でないと判断されれば、返戻されます)

審査支払機関が保険者から受け取った医療費が、病院へ支払われます。

このように、審査支払機関から支払われた医療費と、患者の負担した医療費の合計病院のお金(儲け)になります。

保険診療のまとめ

ここまで、病院がお金を得る仕組みである、保険診療について書いてきました。

まとめると、

①患者さんが、保険者に保険料を納める

②患者さんが保険診療を受け、病院に患者負担分の医療費を支払う

③病院は、患者負担分の残りを審査支払機関へレセプトとして請求する

④審査支払機関はレセプトの中身をチェックし、適正であれば保険者へレセプトを送る

⑤保険者もレセプトの中身をチェックし、適正であれば審査支払機関へ医療費を払う

⑥審査支払機関へ支払われた医療費を、病院へ支払う

という流れになっています。

もう一度、先ほどの図を見てみると、わかりやすくなっていると思いますよ♪

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