「病院」と聞くと、どんな場所を想像しますか?
大学病院のような大病院、家の近くにある小さな病院、なんかリハビリ専門の病院もあるらしい…?
など、実は「病院」といっても、様々な種類があります。
今回は「病院」と呼ばれる、医療機関の種類について書いていきます◎
医療機関には、病院と診療所がある
「病院」という施設は、正式には医療機関と呼ばれます。
医療機関とは、医療法に定められた、医療行為を行うことが出来る施設のことです。
このサイトでも人気のある、診療明細書の見方シリーズに書いているような、保険証を使って治療が出来るような施設のことです。
この医療機関には、病院と診療所の2つがあります。
病院は、20床以上の病床がある医療機関を指し、
診療所は、病床がない又は19床以下の病床のある医療機関のことを指します。
また、病床は入院できるベッドのことです。
ものすごくザックリ分けると、下のようになります。
- 病院 :病床がたくさんあって、入院治療ができる医療機関
- 診療所:病床がない or 少しだけ病床がある医療機関
※ちなみに。保険証が使えない(保険診療ではない)医療行為を行う施設であっても、医療機関と呼べます。
例えば、完全に自由診療で美容整形をする施設も、行っていることは医療行為なので、医療機関と呼ぶことができます。
(診療明細書の見方【基礎編】~③保険診療と自由診療、自費とは~ にも詳しく書いています♪)
病院には4種類ある
病床が20床以上の病院には、機能に合わせて4つの分類があります。
この分類は、病棟ごと(病院のフロアごと)に決まっています。
- 高度急性期
- 急性期
- 回復期
- 慢性期
では、1つずつ見ていきましょう!
1.高度急性期
高度急性期の病棟は、急性期の患者に対して、特に専門性の高い治療をする場所です。
急性期とは、命に関わるような状態をイメージしてもらえば大丈夫です。
例えば、脳梗塞や心筋梗塞などで倒れて、早急に手術をしないと命の危険があるとか、大きな事故にあって、今すぐ救命措置をしないといけない…など。
専門性が高い治療をするため、大きな手術室があったり、ICU(集中治療室)があるような病棟を指します。
大学病院や救命救急センターなども、高度急性期病院に含まれます。
ドラマなどで救急車で運ばれていくような、大きな病院を想像してもらうと良いですよ。
2.急性期
急性期の病棟は、1で書いた高度急性期病院よりは、少し緊急度の低い患者に対して治療をする場所です。
少し緊急度が低いとはいえ、急性期。急激に病状が悪化する場合もあります。
そのため、治療自体はたくさんする必要があり、専門性の高い治療も多いです。もちろん、手術もできます。
高度急性期と急性期の違いは、入院患者の病状の違いとも言えます。
- 高度急性期:一分一秒を争うような、命の危機に瀕している患者
- 急性期 :状態は不安定で治療は必要だけど、高度急性期ほど状態が悪くない患者
簡単に言えば、
高度急性期は、相当ひどい状態。場合によっては、亡くなってしまうかもしれない状態。
急性期は、大変な状態。命の危機も否定できないし、治療はしっかり受けないといけない。
という感じです。
3.回復期
回復期の病棟は、急性期ではなくなった患者が、在宅復帰のための治療をしたり、リハビリをしたりする場所です。
高度急性期・急性期では、手術をしたり、点滴や酸素をつけ続けていたり…たくさんの治療をしますが、
回復期になると、点滴の回数が減ったりと治療が少なくなり、リハビリもします。
だいぶ病状が落ち着いたし、家に帰るための準備をしていきましょう!という病棟です。
リハビリ専門の病院などが、回復期病院にあたります。
急性期病院には「回復期リハビリテーション病棟」という名前の病棟があったりします。
急性期病棟で治療後、同じ病院内にある回復期リハビリテーション病棟(略して回リハ病棟)でリハビリをして、退院する仕組みです。
回リハ病棟は、入院対象となる病名が決まっており、入院できる(リハビリができる)期間も数ヶ月と決まっています。
回リハ病棟については、こちら↓
4.慢性期
慢性期は、長期にわたって療養が必要な患者が入院する場所です。
急性期の状態ではないけれど、ずっと点滴治療が必要である、酸素をずっとつけていないといけない、自分で喀痰(つば)を出すことが出来ない…など、
常に何か治療が必要な患者が、長期入院する病棟です。
3の回復期は「元気になって、なるべく早く家に帰ること」を目標とする病棟ですが、
慢性期は常に治療が必要な状態なため、「早く家に帰ること」を目標にするのは、少し難しくもあります。
とはいえ、なるべく早い退院を目指して、治療やリハビリを続けていく病棟でもあります。
まとめ
では「病院」という医療機関についてまとめていきますね。
- 「病院」は医療機関であり、医療機関には病院と診療所がある
- 病院は、病床が20床以上の医療機関
- 診療所は、病床がないか、19床以下の医療機関
そして、病院には4つの種類があります。
- 高度急性期:命の危機があるような急性期の患者に対し、高度で専門的な治療を行う
- 急性期:急性期の患者に対し、専門的な治療を行う
- 回復期:急性期を脱した患者に対し治療やリハビリを行い、早期退院を目指す
- 慢性期:急性期を脱したが、継続的な治療が必要な患者に対し、治療やリハビリを行う
一言で「病院」と言っても、様々な種類があります。
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