前回の記事(診療明細書の見方①〜診療明細書ってなに??〜)では、診療明細書がどのようなものかについて書きました。
今回は、診療明細書に書いている内容、診療報酬の8つの分類の中身について書いていきます!
例を取り上げた、診療明細書の具体的な見方については、診療明細書の見方③~具体的に読んでみよう!①~をご覧ください◎
診療報酬とは?
診療明細書には、診療行為と診療報酬が書かれています。
診療行為には、どんな治療をしたのかが書かれています。治療行為とも言えます。
診療報酬とは、診療行為に対してついている金額のようなものです。
金額のようなものと書いた理由は、
1. 診療報酬は点数で表記される
2. 診療報酬の点数そのままを支払う訳ではない
という2つの理由があるからなんです。
1. 診療報酬は点数で表記される
診療報酬は 1点=10円 と決められています。
100点なら1000円です。
2. 診療報酬の点数そのままを支払う訳ではない
診療報酬の点数を10倍したものが、本来の医療費になりますが、
保険証を使うことで、本人の負担は軽減されます。
保険証の仕組みについては、何で病院を受診する時は、保険証が必要なの? へ。
診療明細書の8つの分類を見てみよう!
診療明細書を大きく分けた場合の、8つの分類の中身を見てみましょう!
①初診、再診料
病院に行くとほぼ必ず取られるのが、初診、再診料です(例外はあります)。
診療行為を行った場合や、医師と「最近変わりないですかー?」のようにお話しして、特に検査等をしてなくても算定される料金です。
初診料は282点。
初診とは、初めて病院に通院した時や、久しぶりに通院した時、今まで治療していた病気が治って、また新しい病気で通院をする時などに算定されます。
再診料は72点。
再診とは、通院を続けている状態で(初診ではない場合)算定されます。
200床以上の入院ベッド数がある大きな病院では、外来診療料という名前の再診料(73点)が算定されます。
②医学管理料・在宅管理料
特定の病気に対して、療養上の注意点等を指導したり、在宅医療の指導をした場合などに算定されます。
医学管理料には様々な種類がありますが、基本的に点数は高くなります(専門的な指導となるため)。
③投薬・注射
薬や点滴に対しての算定です。薬剤、点滴の量などに応じて点数が決まっています。
④処置料
傷口の処理(消毒や軟膏を塗るような治療をイメージしてください)や、ギプスをつけたり、耳の掃除など、縫ったりはしないような治療を指します。透析も処置料に含まれます。
⑤手術料
その名の通り、手術に対する点数です。麻酔、輸血も診療報酬上は「手術料」のグループに入ります。
※ただし、麻酔、輸血は保険会社さんに提出する「手術」の項目には合致しない場合もあります。詳しくは保険会社さんへお尋ねください。
⑥検査料(採血、その他検査など)
採血や検尿、心電図、超音波検査など、様々な検査が含まれます。
また、検査の判定料も含まれています。判定量とは、検査した結果を出すための処理、と考えてもらって大丈夫です。例えば、採血した血を調べることなどを指します。
⑦画像診断料(レントゲンなど)
レントゲンやMRI、CTなどの検査をした時に算定されます。検査料と同じく、判断料も含まれます。
⑧リハビリ料など
リハビリをした時や、精神科領域の治療、処方箋(病院の外の薬局で薬をもらうために必要なもの)を発行した時に算定されます。
診療明細書から読み取れること
ここまで、診療報酬と8つの分類について書いてきました。
では、結局のところ、診療明細書からは何が読み取れるのでしょう?
答えは、
1. 診療行為にどれだけの金額が必要なのか
点滴したら、どのくらい医療費がかかるのか、が一目瞭然です。
2. 診療報酬を詳しく知っていると、診療明細書を見るだけで、大体の病名が予想できる
私は一度、その人の病名を全く知らずに診療明細書を読ませてもらい、大体の病名を当てたことがあります(引かれました。笑)。
診療明細書と似た名前で、診療報酬明細書(レセプト)というものがあります。
レセプトは病院から保険者へ医療費を請求するためのものなのですが、レセプトを読めば、病名もわかってしまいます。
長くなってきたので・・・
ここまでの内容を踏まえて、診療明細書の見方③~具体的に読んでみよう!①~ 診療明細書の見方③~具体的に読んでみよう!②~で、あなたも一緒に、診療明細書を読んでみましょう!