診療明細書の見方【応用編】~①入院料ってなに?~

診療明細書の見方【基礎編】にも、まだまだ書きたい内容はあるのですが、、そろそろ【応用編】も始めていきます!

【応用編】では、【基礎編】よりも少し複雑で、ややこしい話をメインに書いていきます。

【基礎編】をすべて読んでいなくても、わかる部分はあると思いますが・・・基礎編に書いている内容は省略していきますね◎

※不安な方は、診療明細書の見方シリーズ から読んでいってください♪

入院してしまった!入院費ってどうなるの?? でも少し触れていますが、今回は「入院料」について、詳しく書いていきます!

入院料とは

入院料とは、病院に入院した時に算定される料金です。入院料に、治療費(点滴や手術をした時の治療代金)は基本的に含まれません。

かみ砕いて言えば、入院したこと自体にかかる料金とも言えます。

入院料は「入院基本料」がベースとなり、そこに加算として、「入院基本料等加算」「特定入院料」がついてきます。

※加算については、診療明細書の見方【基礎編】~①加算ってなに?~ を見てください♪

病院のベッド(病床)の役割

入院料についての話の前に、そもそも「病院に入院する」ということ自体について、書いていきます!

まず、病院のベッドのことを「病床」ベッド(病床)のある場所を「病棟」と言います。

入院するということは、「病床」のある「病棟」へ入院するということになります。

そして、病床・病棟には特定の役割があり、その役割以外の使い方をしてはいけないようになっています。

例えば、ケガや病気で入院した場合に入院できる病棟は、「一般病棟」と呼ばれる病棟です。一般病棟では、手術などが必要な患者や、急性期(病状が悪く、緊急性を要する状態)の患者が入院します。

ですが、結核を患う方は、一般病棟への入院はできません。代わりに、「結核病棟」という別の病棟に入院することになります。

言い方を変えれば、結核を患う方は、結核患者専用の病棟に入院しなければならない、ということになります。

他にも、「療養病棟」(長期療養が必要な患者専用)、「精神病棟」(精神疾患を患う方専用)といった病棟があります。

このように、病棟には役割があり、その役割に応じて「入院基本料」という、基本となる料金が決まります。



入院基本料とは

「入院基本料」には、 「急性期一般入院料1 1,591点」、「急性期一般入院料2 1,561点」というように、さまざまな名称と点数があります。

この名称と点数は、

①その病棟が何の病棟か

②その病棟に何人の看護師がいるのか

③どの程度、重症な患者が入院しているのか

④平均して何日入院するのか

4つの条件から決まります。

例えば、

①急性期の患者が入院する一般病棟で

②看護師がたくさんいて

③重症な患者が入院していて

④入院する日数も少ないような病院

の場合、入院基本料は「一般病棟入院基本料」の中で一番点数の高い「急性期一般入院料1 1,591点」になります。

他にも、

①結核患者が入院し

②看護師がたくさんいて

③重症な患者が入院していて

④入院する日数も少ないような病院

であれば、結核病棟入院基本料」「7対1入院基本料 1,591点」が算定されます。

ちなみに、「7体1」というのは、「7人の患者に対し、少なくとも1人の看護師が常に病棟にいる」という状態を指します。

「10体1」なら、「10人の患者に対し、1人以上の看護師」ということになります。

入院基本料への加算

入院基本料は、1日ごとに算定されます。

例えば、「一般病棟入院基本料」「急性期一般入院料1 1,591点」を算定する入院で、5日間入院していた場合、

1,591点 × 5日 =7,955点 ということになりますが、

「一般病棟入院基本料」は「14日以内の期間 450点」の加算が算定できるため、

(1,591点 + 450点) × 5日 = 10,205点 が入院基本料となります。

さらに、「一般病棟入院基本料」には加算をつけることが出来ます。

例えば、「医療安全対策加算1 85点」。この加算は、厚労省から「医療に対する安全対策をしている病院だ」と認められると算定できます。

また、この加算は入院初日にのみ算定できるので、

(1,591点 + 450点 + 85点【入院初日】) + (1,591点 + 450点) × 残り4日 =10,290点 となります。

この他にも様々な加算があり、初日のみ算定できるものや、入院してから〇〇日間ずっと算定できるものなどもありますが、

「入院基本料」(+「入院基本料に対する加算」)×日数 が入院料の全体ということになります。



まとめ

入院料を図にしてまとめると、下図のようになります!

ちなみに、ここまで書いてきた入院料は、出来高払い方式の場合、全額が医療費として請求されます。

DPC方式の場合、基本入院料はDPC算定の中に含まれており、加算の一部は医療費として請求されるようになります。

この辺りの詳しい話については、また改めて書いていきますね!

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