【みゆの日常】マイナンバーカードの健康保険証利用について思うこと。

このブログの医療関係の記事では、あまり私自身の意見・考えを書かないようにしていて、

あくまでも、制度の説明、仕組みの説明をメインにしていました。

ただ、マイナンバーカードの健康保険証利用という話が出てきていると、

元★医療事務員としても、いろいろと思うことがあるので、、少し書いてみようと思います。

あえて私の考えを書かなかった理由。

私は元★医療事務員として実務をしていた側としても、

健康保険証にまつわる電子書籍、素人でもわかる 医療費の仕組みを保険証から知る: ~医療保険は助け合いの精神~ を書いている身としても、

マイナンバーカードと健康保険証の組み合わせは、やはり気になるところで。

ですが、実はこのブログでは、医療関係の話、特に制度の部分に、あえて私の考えは入れないようにしていました。

あくまでも、制度の話。その制度をかみ砕くと、こんな感じ。こんなイメージ。

書くのは、そこまでに留めていました。

その理由は、制度の仕組みについてどう考えるかは、読者のみなさんに任せたいと思っていたからです。

ですが、仕組みの理由や知識がないと、そもそも、考えることもできない。しかも、厚労省や診療報酬について調べるのは、すごく難しい

私は病院で働いていましたが、仕組みがわかるまでに、相当な時間が必要でした。

それは良くないな、と思い、このブログを作ったんですよね。

とはいえ。今回のマイナンバーカードの話。

実務を行っていた人間としても、「えー、そんな性急には無理でしょ」と思う所がたくさんあり…書いてみることにしました。

※今回は、あまり簡単に言い換えたりはせず、専門用語も結構使います。

診療明細書の見方シリーズ やブログ内検索など…気になる方は、いろいろと調べてみてくださいね。

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健康保険証が重要な、3つの理由

健康保険証が重要となる理由は、下の3つです。

  1. 保険証の提示で、保険診療が受けられる
  2. 保険証により、本人負担額がわかる
  3. 病院は保険者に対してレセプト請求ができる

マイナポータル で、マイナンバーカードの使用方法などをざっと見たんですが。

1については、便利になるなぁと思いました。

一度マイナンバーカードを保険証登録すれば、保険者が変わっても手続きはいらないようです。

今までは、保険者が変わると、新しい保険証の提示があるまで、自費扱いとしていました。

理由は、その人が本当に保険者に加入しているか、保険証を見るまで分からないから。

保険証に加入日(いつからその保険者が使えるか)、保険証の情報が書いています。それを見るまでは、確実に保険証を持っていると言えなかったんですよね。

それを、マイナンバーカードを持っていることで、手元に新しい保険証がなくても、提示できなくてもOK、としているようです。

患者としては、ありがたいですよね◎


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保険者の移行が、正しく早く出来るのか?が不安

ただ、「マイナンバーカードを持っている=保険者に加入してる」という証明にはならないんですよね。

保険者の移行が、正しく早く出来ていることが大前提です。

例えば。2023年3月31日に、A保険者の資格を喪失したとします。

すると、3/31まではA保険者の保険証が使えます。でも、4/1からは、手続きをしていなければ、この人はどこの保険者にも加入していない、無保険状態となります。

つまり、4/1以降の「保険者がない」ので、保険証を使って保険診療をすることは出来ません。

2023年4月1日から、B保険者に加入する手続きをしていれば、

たとえB保険証が手元に届いたのが5月だとしても、この人は4/1からB保険者に加入しているため、保険診療を受けられます。

ここで、マイナンバーカードを利用していれば、B保険証が届いてなくても、4/1から保険診療もOKになる。それは良いことですよね。便利です♪

(利用出来ない病院だと、B保険証が届くまでは、自費扱いになりますが。。)



保険者の喪失・加入手続きは、会社がやったり、自分でやったり…と方法は様々ですが、どちらにしても、手続きに少し時間はかかります。

保険者同士でのやり取りでマイナンバーと連動するのか、新しい保険者での手続きが完了した時点で連動するのか。

連動させる時期によって、手続きに要する時間も、だいぶ違うだろうなと思っています。

転職したり、扶養に入ったり…とライフイベントの多い世代は、「あれ?マイナンバーカードあるのに、使えないの?」ということも、タイムラグ的に起きるだろうなと、私は思っています。

まぁ…ライフイベントの多い世代=若い世代=そんなに病院に行かない、なので、あまり関係ないかもですが。

主保険ありきの助成制度も、少し不安

あと気になるのは、助成制度との兼ね合いです。

主保険をマイナンバーカードを確認できても、助成制度は主保険をもとにしているので…

主保険が変わっていたら、助成制度は使えなくなるんですよね。

助成制度を使う方は、生活困窮者や難病など、医療費を払うのが大変な方々がほとんどです。

なので、病院がレセプト請求した後に、「主保険もってないです」なんてことがわかったら、

後から患者本人に、全額の医療費を請求せざるを得なくなる場合もあります。。

そのくらい主保険は大事なので、「確実にマイナンバーカード上で、主保険の移行が素早く出来るのか」が、私は今の国の行政を見ていると…少し不安でもあります。



とはいえ、電子化できるのは良いこと

ここまで、私の懸念は少し書きましたが。

電子化できて、簡単便利になるのは良いことだと思います。

個人的には、性急なマイナンバーカードの健康保険証利用は、相当難しいと考えています。

助成制度の問題だけでなく、レセプト請求のことを考えると、「えーめっちゃ面倒くさいやーん」と、ツッコミを入れたい部分もあります。

ただ、その辺りも今後改善されていくでしょうし、どう変わっていくのかなぁ、と思っています。

また伝えられることがあれば、記事にしますね◎

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