人気のある仕事、医療事務の給料が安い理由。

私は新卒で急性期病院の医療事務をしていましたが…

正直なところ、同じ年代の事務職と比べると、給料はカナリ安かったです。

残業60時間とかしてても、私は手取りで20万円をもらったことはありません…泣

ですが、医療事務は人気の仕事でもあります。なぜ、人気はあるけど医療事務の給料が安いのか。

そのことについて、元★医療事務員の立場から書いてみますね。

医療事務は、やりがいのある面白い仕事。

実は、私はそもそも医療事務を目指してはおらず…

いわゆる「就職氷河期」の求人自体が少ない中、やっと合格したのが医療事務だったんです。苦笑

私が医療事務を辞めた理由。 にも詳しく書いてはいますが…元々、目指していた仕事ではありませんでした。

ですが、医療事務として仕事をしていくと、すごく面白くなってきました。

医療事務は面白い仕事ですし、やりがいもあります。医療事務のやりがいとは??

いろんな病気や治療法、薬を知り、それらを診療報酬に基づき点数化し、レセプト請求をする。

言ってみれば、医師や看護師、専門職が一生懸命に治療をした、その行為に名前と点数をつけて、国へ請求する仕事です

医療事務は、スタッフの頑張りをお金に換える大事な仕事です。

実際にやさしい医師から、「あなた(医療事務)のおかげで、私の頑張った分がキチンとお金になるんだから、ありがたいよ♪」と声をかけてもらったこともあります…感動…!

ユーキャンの医療事務講座

待遇(主に給料と休日)さえ良ければ、もう一度医療事務として、レセプト業務をしてもいいなぁと思います。仕事自体は、好きでした。

…ですが、給料が安い医療事務。その理由について、今から書いていきますね。

病院の収入は、ほぼレセプト請求で成り立つ

先ほど書いたように、医療事務のメイン業務は、

「医療スタッフの治療行為を、診療報酬に基づいて点数化し、レセプト請求をする」

という仕事です。

そして、病院の経営はこの診療報酬、レセプト請求によってほぼ成り立っています。

この、診療報酬というものが問題で。

診療報酬は、厚労省が治療行為に対して点数(金額)を決めています。つまり、厚労省次第で、診療報酬の点数は変わります。

診療報酬は2年に1度、改定されるようになっているのですが…近年は、診療報酬の引き下げ、マイナス改定が続いています。

簡単に言えば、厚労省の判断によって、急に金額を上下させられるんです。病院って。

しかも、最近は安くて高度で安心できる医療を行うように、と厚労省は病院に要求しています。「安くて安全で美味い!」を強制されてるご飯屋さん、みたいなものです。。

そりゃぁ…病院の経営難が続くはず、ですよね…。

実は、このような話を私はKindle本で書いているので…興味のある方は、ぜひ試し読みでもしてみてください◎


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医療事務は、国家資格のある「大事な」専門職ではない

病院の収入源は診療報酬に基づくレセプト請求で、近年その診療報酬は減らされている。

ということは、病院の運営は、減った収益から行わなければなりません。

病院運営でまず大事になるのは、病院の維持費用

土地代などの固定資産税、ベッドや車イス、手術機器や衛生用品、薬剤など治療に必要になるもの。

その次に、病院で一番大事な人材である医師の人件費

病院を選ぶ基準は、「先生がやさしい」「病気が良く治る」「的確なアドバイスをもらえる」…など、医師の評判を見て選ぶことが多いですよね。

なので、やはり医師には一番多くの人件費、お給料を渡すことになります。

次に、看護師の人件費。看護師がいなければ、病院は成り立ちません。

また、病棟に看護師が何人常時配備されているか、で診療報酬点数が変わることもあるので…医師の次に大事な人材です。

その次に、PT・OT・ST(リハビリに関わる専門職)、薬剤師など、コメディカルと呼ばれる国家資格を持つ専門職の人件費

このような病院維持費と国家資格を持つスタッフへの人件費を支払った後に、やっと、医療事務の人件費、となります。

言い方は悪いですが…医療事務は国家資格を持っていないし、誰でもなれる。代わりがいる人材だと、病院では捉えられています。

レセプト請求を行う、病院にとって重要な仕事ですが…お金をたくさん払うべき人材ではありません。

病院的に辞められると困る人材は、医師、看護師、コメディカル、医療事務の順です。

なので、病院内での医療事務の地位は低いです。看護師に八つ当たりされたりとか、全然ありますよ…苦笑


医療事務の給料が安い理由。

改めて文章にして、私も悲しくなってきたんですが…医療事務の給料が安い理由は大きく2つ。

  1. 診療報酬が低くなってきており、病院の経営自体が難しくなっているから
  2. 施設運営費、有資格者の人件費を支払った後に、医療事務の給料が決まるから

すべては診療報酬が低いこと、それが原因ではあるんですが…病院を受診する時に今よりもお金がかかると、患者側からすると、とてもしんどいですよね…。

確かに医療事務は面白いし、やりがいのある仕事です。

学歴不問の病院もあるし、全国どこにでも病院はあるから、仕事は割とあるし、働く時間も選びやすい。

ですが、給料の低さに関しては、少し覚悟しておいた方がいいかな、とは思います。

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