医療事務の仕事①~医療事務はどんな仕事をしてるの?~ にも書いている、レセプト業務。
この業務は、医療事務にとって一番重要とも言えるものですが…イマイチ何を指しているのか、わかりづらいと思います。
元★医療事務員の私だからこそ、ものすごく簡単に「レセプト業務」がどういうものか説明していきますね♪
レセプトとは?
まず、「レセプト」という言葉。ドイツ語の言い方ですが、日本語では「診療報酬明細書」と言います。
日本語は長いので、医療事務や医療関係者の間では、レセプトと呼ばれることの方が多いです。
このレセプト(診療明細書明細書)。ものすごく簡単に言ってしまうと、
病院が患者1人にかかった1ヶ月分の医療費を、審査支払機関に請求するための請求書のことです。
病院はどこからお金を得てるの? では、レセプトと審査支払機関の関係性を詳しく書いていますが、
今回はこのレセプトという請求書を、どう作っているのか?をメインに書いていきますね◎
レセプトのイメージ
請求書と言っても、あまりピンとこないとは思いますが…レセプトのイメージはこんな感じです。
この画像は外来レセなですが、こんな用紙に、患者の1ヶ月分の診療内容と点数、病名などを書いていきます。
手書きの場合もありますが、今はレセコン(レセプトコンピュータ)でIT化されているので、ほとんどの病院がレセプト業務をPCを使って行っています。
1人の患者に対して、1つずつレセプトは作られます。また、外来と入院は別請求となります。
たとえ1人の患者でも、同じ月に外来通院と入院をしていれば、外来レセと入院レセの2つが作られます。
つまり、外来用と入院用でレセプトは様式が違うし、請求も別になるということです。
レセプトは1ヶ月単位での請求となり、前月分以前のものを、毎月10日までに審査支払機関に提出します。
レセプトの業務の内容
レセプトには外来・入院用があり、毎月10日までに審査支払機関に提出する、という所まではわかりましたが、
では、実際医療事務って、レセプト業務として何をしているんでしょう?
ものすごく簡単に言ってしまえば、レセプト業務とは、
- 治療行為に対して、「病名」をつける
- 算定できない診療報酬がないか、逆に算定漏れがないか確認する
この2つを行っています。
では、ひとつずつ内容を見ていきますね◎
1.治療行為に対して、「病名」をつける
治療行為に対して「病名」をつける、というのは医師がやりそうな事なんですが…
レセプト業務的には、医療事務がある意味「勝手に」病名をつけることもあります。こんな病名を「レセ病名」と呼んだりもします。
まず、病院での診察・治療というのは、必ず医師が何かしらの病気に対して行うものです。
こう書くと、当たり前のような気がしますが…病院の治療行為、つまり診療報酬はこれが大前提です。
もっと言えば、病気(確定した「病名」)がなければ、治療行為は発生しません。
つまり、レセプトでは、治療行為と「病名」がセットになっているのが当然で、セットになっていなければ、「なんでこんな治療をしたの?」と疑いをかけられる訳です。
例えば、私月風みゆが風邪をひき。もしかして、インフルエンザ?なんて思い、受診した時の診療明細書です。
この診療明細書の見方自体は、また改めて書こうかなと思いますが…
医療事務がレセプト業務で見て、つける「レセ病名」は、
「インフルエンザの疑い」「感冒」「咳嗽」などになるかなと思います。
「インフルエンザの疑い」だけでも、あぁ風邪ひいたのね、でレセプト請求的にはOKかもしれませんが…この辺りは審査支払機関の考え方によります。
なぜ病名が「インフルエンザ」ではないのか。
これは、もしインフルエンザだったなら、「タミフル」など、インフルエンザ用の薬が出てるはずだからです。
私は「アストミン錠」という咳嗽(セキ)の薬や、「カロナール錠」という熱さまし・痛み止めの薬しか処方されていないため、
インフルエンザを疑って検査をしたけど、インフルエンザではなかった、ということになります。このような場合、「インフルエンザの疑い」のように、疑った病名が「レセ病名」になります。
医療事務の行う「レセ病名」をつける業務は、ものすごく簡単に書くと、このような仕事です。
医師が病名をしっかり付けてくれている場合もあるのですが、医師も忙しいので…メインの病名以外は医療事務でつけてね、よろしく!という事もよくあります。
2.算定できない診療報酬がないか、逆に算定漏れがないか確認
「レセ病名」をつけるのと同様に大事な業務が、算定できないものや算定漏れを確認することです。
詳しく書くと、カナリたくさんの項目があるのですが…ザックリ言うなら、
- 検査では、同じ日に行ったら「マルメ」(同一の検査として扱われる)ものがあるので、マルメの検査をダブって算定していないか
- 月に1度しか算定できない項目(管理料や検査料など)が漏れていないか、逆に2回以上算定していないか
…など、細かい所をチェックしていきます。
そういった例は、診療明細書の見方シリーズ で色々と紹介はしていますが、カナリの数なので、
間違った請求をしていないか確認している、という理解で大丈夫です◎
レセプト業務は、大変だけど楽しい仕事
レセプト業務の簡単な例を挙げてみましたが…ここまでで、「私には出来ないかも」と不安になった方もいるかもしれません。。
ですが、このレセプト業務、間違いさがしや宝探しみたいな感じで、楽しい仕事なんです♪
私はレセプト業務、確かに大変ですが、楽しんでやっていました。
一度「医療事務講座」などの資料を見てみると、よりイメージが湧くかなぁと思いますよ♪