今回は、診療明細書の具体例を見ながら、診療明細書の中身を読んでいきます!
診療明細書の概要については、診療明細書の見方①〜診療明細書ってなに??〜 へ。
診療明細書に書かれている内容である、診療報酬についての概要は 診療明細書の見方②〜診療報酬とは?〜 へどうぞ!
診療明細書を読んでみよう!
実際に診療明細書の中身を読んでみましょう!
今回使用するのは、厚労省の診療明細書の具体例です。病院に対し、このような診療明細書を発行しましょうと例示しているものです。
そのため、点数や表記が平成30年度診療報酬改定のものとは違う場合があります。
違っている点については、平成30年度の診療報酬で解説していきますね。
※医療費は2年ごとに診療報酬改定という名で改定されます。最新の改定は平成30年に行われています。
診療明細書の見方
まず、診療明細書の見方を解説します。
図の赤い部分を見てください。
「部」は診療報酬上の区分を書いています。在宅医療の項目や処置の項目などを書いています。
診療明細書の大きな区分を書いていると考えてもらって大丈夫です◎
「項目名」には、「部」の中の具体的な診療内容が書かれています。
在宅の中の△△という名の診療行為ですよ、という感じです。
「点数」には、「項目名」の点数が書かれています。
△△という診療行為は、□□点ですよ、という意味です。1点は10円です。
「回数」には、「項目名」の診療行為を何度行ったかを書いています。
「点数」×「回数」が「項目名」の診療点数、つまり診療行為の点数となります。
①初診・再診料
まず初めに、一番上に書いている「基本料 *外来診療料」から見ていきましょう。
外来診療料は再診料のことを指します。ただ、外来診療料を算定出来るのは、200床以上のベッドを持つ大きな病院だけです。
点数は70点、回数は1回なので、外来診療料は70点となります。
この患者さんは、再診で大きな病院に通院していると読み取れます。
※現在の外来診療料は73点です。
②在宅医療
次に在宅の部分です。在宅とは、在宅医療の指導料を指します。
指導料には、「在宅自己注射指導管理料」に「血糖自己測定器加算(月100回以上)(1型糖尿病の患者に限る)」という加算がついています。
「在宅自己注射指導管理料」とは、家で自分で注射薬を打つ患者に対して、注射器の使用法などを説明する管理料です。
「血糖自己測定器加算(月100回以上)(1型糖尿病の患者に限る)」とは、1型糖尿病の患者が、血糖値を自分で測っている場合につく加算です。
この患者さんは、1型糖尿病を患っており、注射薬(恐らくインスリン注射?)を自分で打っていて、月100回以上、血糖値を測る必要があるようです。
また、どちらの指導料も月に1度しか算定できないため、今月初めて糖尿病の治療のために通院したと考えられます。
「在宅自己注射指導管理料」は820点、「血糖自己測定器加算(月100回以上)(1型糖尿病の患者に限る)」は1320点で、それぞれ1回ずつ行われているため、在宅医療の点数は2140点です。
※在宅自己注射指導管理料には、平成30年現在、3種類の点数があります。この表記だけでは現在のどの種類に合致するのかわからないため、詳しい点数については触れないでおきます。
※糖尿病には、1型・2型という種類があります。病気の詳細については、私は医師ではないため割愛します。
③処方
処方は、投薬のことが書かれています。
「処方せん料(その他)」が算定されています。「処方せん料」とは、院外の薬局で処方をしてもらうために、処方せんを発行した場合に算定されます。
この患者さんは、薬局へ処方せんを持って行き、そこで薬を処方されるようです。
※処方された薬の中身は、この診療明細書ではわかりません。
長くなってきたので、続きは 診療明細書の見方③~具体的に読んでみよう!②~ へ。
ちなみに、ここまでの診療明細書でわかったことは、
・この患者さんは「1型糖尿病」を患い、家で注射治療(恐らくインスリン注射)と血糖値の測定をしている
・継続して通院しているが、今月初めて、糖尿病の治療のために通院した
・処方せんを持って、外の薬局へ薬を取りに行った
ということです。
診療明細書の内容が読めると、ここまでわかるんです★
診療明細書の見方③~具体的に読んでみよう!②~ へつづく。
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