【産科医療について】分娩の時にもらえるお金①~出産育児一時金~

「出産すると、50万円もらえる!」

という話を聞いたことがある人も、いるかもしれません。

実は分娩には、出産育児一時金産科医療補償制度という2つの制度があり、その合計金額が50万円なんです。

漢字がたくさん並んで、よくわからない!となりそうな制度ですが…

出産(分娩)にはとても大切な制度なので、なるべく簡単に書いていきますね♪

※制度自体が結構複雑なので、今回は出産育児一時金について書きます。

産科医療補償制度については、続きの記事で書きますね。

出産と分娩の違い

出産育児一時金産科医療補償制度という2つの制度について書く前に、

まず、出産と分娩という言葉について書いていきます。

出産も分娩も「赤ちゃんを産む」という意味では大体同じなのですが、

厳密に言うと、分娩は「赤ちゃんが完全にママの体内から出た状態(出産が終わった状態)」のことを指します。

なので、分娩の種類には様々なものがあり、経腟分娩、無痛分娩などの正常分娩、

帝王切開をしたりする異常分娩、

悲しいことに、お腹の中で赤ちゃんが亡くなってしまったときも、分娩をして亡くなった赤ちゃんを母体から外に出してあげる必要があります。

(流産、死産、中絶などについても、また書いていきますね)

簡単に言えば、ママの身体から、赤ちゃんが出てきた状態を「分娩」と呼びます。

ややこしければ、出産と分娩は同じようなものだと思ってもらってもOKです◎

出産育児一時金とは?

出産育児一時金とは、

健康保険や国民健康保険に加入している人が出産した時に、保険者から支給されるお金のことです。

出産育児一時金の制度は厚労省が決めたもので、令和5年4月から50万円が支給されるようになりました。

(ちなみに、それまでは42万円でした。出産育児一時金は引き上げられたんですよ♪)

ここで大切なことが2つ。

  • 健康保険や国民健康保険に加入している人が出産した時に
  • 保険者から支給されるお金

これが、出産育児一時金、50万円をもらえる条件です。

「健康保険や国民健康保険に加入している人」というのは、「保険証を持っている人」のことです。

そして、「保険者」というのは、保険証を発行し、保険料を徴収することで、保険診療が出来るようにしている機関です。

ザックリいうなら、保険証を使って病院受診が出来るのは、保険者に保険料を支払っているからです。

(保険者については、保険証で職業がわかる?!~保険者と法別番号~ で詳しく書いています)

これをまとめると、

「保険証を持っていて、ちゃんと保険料を支払っている人」が、出産育児一時金の50万円をもらえるということです。

言い換えるなら、保険証を持っていない、無保険状態の人は出産育児一時金はもらえません。。

出産育児一時金の役割

出産育児一時金で、出産後に50万円もらえる!ラッキー♪と思えますが…

実は大抵の場合、出産育児一時金の50万円は、分娩費用として使われます。

残念ながら、出産したママ本人に50万円が支払われることはほとんどありません。。

【産科医療について】妊娠・出産は、保険証が使えない?! でも書きましが、産科医療は基本的に自費、保険証を使えないものです。

つまり、分娩費用も基本的には自費です。また、分娩費用は大体50万円くらい必要なように設定されています。

※すごーく詳しく書くと、分娩費用には分娩料、分娩介助料、胎盤処置料、新生児保育料などと、細かい料金が都道府県単位で決まっていて、相場を取ると大体50万円になります。この辺りは医療事務員が請求するところなので、あまり気にしなくて大丈夫ですよ。

とはいえ、「分娩費用は50万円かかるので、用意しておいてください」と病院から言われたとしても、、そう簡単には用意できないですよね…

この分娩費用を補う(代わりに支払う)のが、出産育児一時金の役割なんです。




出産育児一時金の直接支払制度

出産育児一時金には直接支払制度という制度があります。

直接支払制度に合意すると、病院は保険者に、出産育児一時金の50万円を請求することができます。

なんのこと?と思う制度ですが、「病院と保険者で、出産育児一時金のやり取りを、直接しますね」という制度です。

「出産して忙しい時に、お金の手続きするのも大変だと思うので、病院の方で勝手に手続きしときますよ!」というイメージでも問題ありません。

実際の直接支払制度の合意書には、いろいろと書かれています。もう、文章見るだけでやだ!と思いそうですが…

要は「病院と保険者でお金のやり取りするけど、いいですか?」という合意書なんです。

もちろん、「出産育児一時金は自分でもらいたい!分娩費用をすべてカードで支払って、後から現金で50万円もらう!」というのもOKです。

この場合、分娩後に自分で保険者へ出産育児一時金を請求することになります。

が、私の経験上、ほぼ皆さんが直接支払制度を利用していました。後々の手続きが面倒だからかな?

たくさん書きましたが、出産育児一時金は、

  • 分娩に対して、保険者が支給するお金のこと
  • 保険証をもっていて、保険料を支払っていないと使えない制度
  • 分娩費も基本的に自費で、大体50万円かかる
  • 病院と保険者が50万円のやり取りをする、「直接支払制度」がある(使わなくてもOK)

だと、まとめられます♪

次では、産科医療補償制度について書いていきますね!

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