診療明細書の見方③~具体的に読んでみよう!②~

前回の記事診療明細書の見方③~具体的に読んでみよう!①~) では、①初診・再診料、②在宅医療、③処方 について読んでいきました。

今回は、そのつづきの ④検査、⑤画像診断、診療明細書からわかることのまとめ を書いていきます!

④検査

検査の項目には様々な検査名が書かれていますが、大まかに言うと、

1. 判断料 (検査の結果を出す為の料金、と考えてもらって大丈夫です)

2. 検査内容 (何の検査をしたのか)

の順に書かれています。

この患者さんは、「血中微生物」「生化学検査1(10項目以上)という検査をし、

その検査結果を出した料金として、「生化学的検査(1)判断料」「血液学的検査判断料」が算定されています。

「検体検査管理加算(1)」は、病院が厚生労働省の定める施設基準(病院の管理体制などを指します)を満たしているため、算定できるものです。

「B-V」採血をした時の手技料つまり採血の技術代を指します。

この患者さんは、採血をして、採血の技術代と採血の検査代、検査結果を出す料金を算定されていると言えます。

※この採血は、身体の状態を把握するのによく使用される検査のようです。検査内容の詳細は、私は医師でないため割愛します。

⑤画像診断

画像診断はレントゲンなどを指します。

この患者さんは「胸部 単純撮影(デジタル撮影)」をし、「画像用記録用フィルム(半切)1枚」に保存しています。

単純撮影(デジタル撮影)は、いわゆるレントゲン撮影のことです。

画像用記録用フィルムは、撮影したレントゲンをフィルム上に保存していることを指します。

この患者さんは、胸部(肺やお腹あたり?)をレントゲン撮影したようです。

この診療明細書からわかること

この診療明細書からは、前回の記事でも書いたように、

・この患者さんは「1型糖尿病」を患い、家で注射治療(恐らくインスリン注射)と血糖値の測定をしている

・継続して通院しているが、今月初めて、糖尿病の治療のために通院した

・処方せんを持って、外の薬局へ薬を取りに行った

ということの他に、

・採血をした

・胸部のレントゲン撮影をした

こともわかりました。

つまり、診療明細書を読めるようになると、

大体の病名、何の治療をしたのか、初めて通院したのか、継続して通院しているのか、どのような規模の病院に通院しているのか

ということまで、わかってしまいます。

ここまでわかってしまうので、診療明細書は雑に扱うと大変危険です。

また別の記事にも書こうと思いますが、診療明細書だけで、がん等の重大な病名がわかったりもするため、病名の告知をあえてしていない場合などには、特に気を付けなければなりません。

ただし、診療明細書を読むためには、診療報酬(診療行為の名称と点数)の知識が必要になります。

診療報酬の知識はどうすれば手に入るの?

診療報酬は、厚生労働省が定めるものであり、病院が独自に決めているものではありません。

そのため、診療報酬の本も売っていますし、ネットで調べてもわかります。

医療事務員が使っている診療報酬の本の一つとして、診療点数早見表があります。

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感想(5件)

他にも色々な本がありますが、私はこの本を使いながら診療報酬の請求をしていました。

ところで、この患者さんはいくら支払ったの?

支払った金額に関しては、この診療明細書だけではわかりません。

なぜなら、この患者さんの保険負担額が何割なのか、わからないからです。

保険証と支払い金額の関係については、何で病院を受診する時は、保険証が必要なの? をご覧ください◎

素人でもわかる 医療費の仕組みを保険証から知る: ~医療保険は助け合いの精神~

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